特別講演Primary Talks

空中ディスプレイの基礎と応用展開

山本 裕紹 氏宇都宮大学 工学部 教授

概要

SF映画で描かれてきた空中に映像を形成する技術は,新型コロナウイルスの世界的なパンデミックを経て,感染拡大を防止する情報インターフェース技術への応用が注目されています.空中ディスプレイの基本原理と各種光学系の解説とともに,講演者がプロジェクトリーダーとして空中ディスプレイの国際標準を創成する取り組みについて紹介します.ボタンや操作パネルの非接触化を行うプロトタイプの開発,CGと人間が共演するXR応用などのアミューズメントや自動車への社会実装の事例や将来展望について解説します.

 

経歴

1994年東京大学工学部計数工学科卒.1996年東京大学大学院工学系研究科計数工学専攻修士課程修了.1996年徳島大学工学部光応用工学科助手.2008年,東京大学大学院情報理工学研究科より学位授与.博士(情報理工学).2009年より徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部講師.2014年4月宇都宮大学オプティクス教育研究センター准教授.同年6月徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部客員准教授.2015年宇都宮大学大学院工学研究科先端光工学専攻准教授.2019年9月宇都宮大学工学部教授(基盤工学科情報電子オプティクスコース).2021年4月宇都宮大学卓越教授(称号授与).現在に至る.

 

IEC(国際電気標準会議)1906 Award,SPIE The Fumio Okano Best 3D Paper Award, 応用物理学会講演奨励賞の他, IDW, IMID, IEEE GCCEなどの国際会議で合計27件の受賞.
日本光学会理事(機関誌「光学」編集委員長,創立70周年記念大会OPJ2022実行委員長),電子情報技術産業協会(JEITA)DD標準化委員会 客員,IEC/TC110においてIEC 62629-52-1 ED1(Fundamental measurement methods of aerial display)プロジェクトリーダー.

これまで科学研究費基盤研究Aなどの多くの競争的資金の代表者に加えて,令和2年度から科学研究費助成事業(科学研究費補助金)(基盤研究(S))課題名「多重反射による空中ディスプレイの薄型化と水中CAVEへの応用~魚に映像を見せる~」代表者を務める.