実世界を見る・観る・視るビジョン技術

特別企画セッション

現在の画像処理の実応用に関する最新トピックスについての特別企画です.


SS1 世界をリードする若手研究者が覗く! 最新AIの世界

12月5日(木) 15:20~16:50

オーガナイザー:片岡 裕雄 (産総研),井上 中順 (東京工業大), 明石 卓也 (岩手大)

日本のAI研究者は、現在プレゼンスの向上を目指してAIブームをふりかえりつつ、次の一手を模索している状況といえます。 本特別企画セッションは、最近の日本のAI研究に対して「こうするべき」「こう変えていきたい」といったことを考察するきっかけとしていただきたいと考えます。また、最新AI技術の実応用に関して、様々な視点から「見る・観る・視る」議論を喚起します。 基調講演では、今まさに世界の第一線でご活躍されており、今後さらに世界のAI研究を牽引されるであろう若手研究者を講師としてお招きし、フレッシュな目で「覗いた」最新AI技術の紹介・有益な提言をいただきます。


SS1-1 基調講演1

深層学習による画像変換

 シモセラ エドガー 氏 (早稲田大)

概要
近年の画像処理や画像変換の発展の原動力は深層学習である。特に畳み込み層にもとづくニューラルネットワークモデルは、画像変換において非常に高性能であることが示 されている。本講演では,深層学習を用いて入力画像を目的の画像に変換する技術について、基礎と応用事例を紹介する。具体的な応用例として、ラフスケッチの自動線画 化について解説する

略歴
2003早稲田大学 理工学術院の専任講師. 2011年BarcelonaTech工学科卒業,2015年同大学でPh.D.を取得. 2015年8月より早稲田大学に勤務. 2018年3月まで早稲田大学 理工学 術院総合研究所の研究院講師. 2018年8月まで科学技術振興機構のさきがけ研究員. コンピュータビジョンとコンピュータグラフィクスと機械学習,特に画像処理に関する 研究に従事,筆頭論文にCVPR,ICCV,IJCV,SIGGRAPHなど.



SS1-2 基調講演2

Real-time Incremental Scene Understanding on Dense SLAM

 立野 圭祐 氏 (Google)

概要
本講演では、ミュンヘン工科大学において取り組んだSLAM (Simultaneous localization and mapping)及び3次元シーン理解の研究、特に、RGBーD SLAMにおけるシーンのリアルタイムセグメンテーションに関する研究、及び、ディープラーニングによる単眼距離推定を援用した単眼リアルタイム密3次元構造復元&シーン理解に関する研究について、その発展手法を交えて紹介する。

略歴
2007年筑波大学システム情報工学研究科知能機能システム専攻修了、2007年キヤノン株式会社入社、主にObject tracking, マシンビジョン, SLAM技術の研究開発に従事、2015年よりドイツ・ミュンヘン工科大学にてPh.D. Studentとして、SLAM及び3次元シーン理解に関する研究に従事、2019年より現職、Googleにて、Research Scientistとして主にリアルタイム3次元構造復元の研究開発に従事。



SS1-3 基調講演3

機械学習と離散数学の協調

 渡邊 陽介 氏 (ZOZOテクノロジーズ)

概要
インターネットによるデータの大量取得、またスパコンに代表されるような計算機の発達により、近年機械学習は飛躍的な進展を遂げたが同時にブラックボックス化といった問題を抱えている。ブラックスボックス化は本格的な社会実装ボトルネックになる部分だと考えられる。本公演ではブラックスボックスのない離散数学と数理最適化でのデータ解析応用に関して紹介する。これらの概念は深層学習と対立する物ではなく、例えば人流追跡技術等では、画像認識を深層学習で行い、動線復元を数理最適化問題で解く、と言った互いのアドバンテージを活かした技術も確立されつつある。本公演では、離散数学と数理最適化の基礎と実社会への応用の話をし、離散数学のグラフ理論によるネットワーク解析手法に関して紹介する。

略歴
高校卒業後渡米。2015年University of Utah 数学科博士課程修了。主にトポロジーと双曲幾何を学ぶ。2015年University of Hawaii 数学科助教着任。2018年日本帰国。現在ZOZOテクノロジーズ研究員、九州大学IMI研究所訪問研究員として、データサイエンスや機械学習の研究に従事。2017年Journal of Topology and Analysis ベスト論文賞



SS2 VIEWとは!? 多様な「視点」の再考

12月6日(金) 15:00~16:20

オーガナイザー:戸田 真志 (熊本大),青木 広宙 (公立千歳科技大)

日常的に我々が行う「VIEW / 見る・観る・視る」という行為は、時間、空間、周波数など、多様な軸における「ある断面」を切り取るものです。本特別企画セッションは、VIEWという行為を広く捉え直し、多様な視点でものごとを再考するきっかけとしていただきたいと考えます。 基調講演では、日頃我々が慣れ親しんでいる「ある断面」のすぐ外側に位置付けられるものとして、「こどもの視点」、「ハンディキャッパーの視点」、「動物の視点」という3つの話題について、それぞれの最前線で活躍されている方々を講師としてお招きし、参加者とともに、これらの「ある断面」の間で、何が類似していて、何が異なるのか、 について議論していきます。


SS2-1 基調講演1

パラリンピック選手をサポートする画像処理技術

 仰木 裕嗣 氏 (慶應義塾大)

概要
視覚障がい水泳選手が泳ぐ際,壁にぶつかることを避け安全にターンやタッチを行うために,タッピング棒を携えたタッパーと呼ばれるサポート役の指導者が必須である.したがって,プールサイドの両側にタッパーが待機してトレーニングをサポートするのが常であった.筆者らは,スポーツ庁のもとで進められたハイパフォーマンスサポート事業の一環で,視覚障がい水泳選手が一人でも安全に泳ぐことができる,「接近検知システム」を開発した.このシステムは水中画像によって接近してくる選手だけを認識し,アラーム音によって選手自身に接近したことを報知するものである.選手と共に開発した経緯などを含めて,パラリンピックスポーツに対する支援技術について紹介する.

略歴
1968年生。 1990年 筑波大学体育専門学群卒 1992年 同大学院体育研究科修了(体育学修士) 1997年 同大学院体育科学研究科単位取得退学。博士(政策・メディア) 1999年 慶應義塾大学環境情報学部助手(有期) 2001年 慶應義塾大学環境情報学部専任講師(有期) 2005年 慶應義塾大学政策・メディア研究科兼環境情報学部助教授 2016年 慶應義塾大学政策・メディア研究科兼環境情報学部教授 慶應義塾大学SFC研究所スポーツ・ダイナミクス・インフォマティクスラボ代表,スポーツ・アンド・.ヘルスイノベーションコンソーシアム代表.日本機械学会スポーツ・アンド・ヒューマンダイナミクス部門運営委員



SS2-2 基調講演2

子どもの視点を持った社会の構築にむけて: 社会免疫システムによる日常生活リスクの動的分散制御

 西田 佳史 氏 (東京工業大)

概要
子どもは、生活機能の急速な発達過程にあり、子どもの視点にたったデザインは容易ではない。日々新たなサービスやプロダクトの開発に伴い、新たな事故も同時に生み出される。一方で、我々の体内では、日々新たに生み出されるリスクに関して、うまく対応している仕組みに「免疫系」がある。本発表では、ダイバーシティ社会のサービスデザインにおける技術的課題と、それを乗り越えるテクノロジーを整理し、新たなアプローチとして、免疫が持つ動的分散リスクマネジメント機能を社会的な人工システムとして作る試みについて述べる。

略歴
1998年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。1998年通商産業省 工業技術院 電子技術総合研究所入所。2001年独立行政法人 産業技術総合研究所 デジタルヒューマン研究ラボ研究員。2005年〜2012年科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業(CREST)研究代表者。2015年国立研究開発法人 産業技術総合研究所 人工知能研究センター 首席研究員などを経て、2019年より同センター招聘研究員。2019年国立大学法人東京工業大学工学院機械系教授となり現在に至る。2007年のキッズデザイン賞の第1回目からキッズデザイン賞の審査員を務める。2017年からセコム科学技術振興財団 特定領域研究 社会技術分野「人間情報・社会情報に基づく安全安心技術の社会実装」の領域代表を務める。これまでに、人間の生活行動の計測技術とモデリング技術、子どもや高齢者の製品安全技術、社会参加支援技術、生活セントリックデザインの研究に従事してきた。日本ロボット学会論文賞、情報処理学会論文賞、2011年 日本人間工学会 大島賞、2007年 第6回ドコモ・モバイル・サイエンス賞などを受賞。



SS2-3 基調講演3

動物学からみた「目」のもつ社会機能

 菊水 健史 氏 (麻布大)

概要
ヒトは視覚を特異的に進化させた動物であり、視覚情報はコミュニケーションにおいて重要な役割を担う。一方、動物は視覚のみならず嗅覚や触覚など様々な感覚器を用いて、場合によってはヒトよりも複雑なコミュニケーションを行っている。今回、動物における社会シグナルの発信、受容、認知、行動選択の生物学的機能を紹介し、その中で「目」の持つ意味がどのように変異したかを、マウス、イヌ、ヒトの結果を交えて紹介する。

略歴
麻布大学獣医学部介在動物学研究室教授。1970年鹿児島生まれ。1994年東京大学獣医学科卒。博士(獣医学、東京大学1999年)。三共(現第一三共)神経科学研究所研究員、東京大学農学生命科学研究科(動物行動学研究室)助手を経て、2007年4月より麻布大学獣医学部伴侶動物学研究室准教授、2009年10月より同教授。専門は行動神経科学。齧歯類における社会コミュニケーションと生殖機能、母子間とその中枢発達に及ぼす影響に関する研究に従事。